肌育は必須

  看護師の中村です。先日、MSCS(メディカルスキンケアスペシャリスト)という学会に参加し、『AIで解き明かす 皮膚老化のメカニズム』について、資生堂の研究員の先生がAI技術を駆使して判明した事を聴講してきました。これを聴いたら肌のハリや弾力は失われ『肌育』が必須というのがよーくわかりましたので、それをシェアします。

 歳を重ねるとヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチン等、ハリや肌に張りや弾力、水分量を保つものが減るのはよく知られています。それだけでも弾力は失われるのは想像できると思います。なんと、それだけじゃない!汗を出すところ(汗腺)の形状が加齢で変化するのです。年齢を重ねても汗腺の長さ、密度、体積は変わらないそうです。しかし、汗腺の先のグルグルしているところがもっとグルグルしてきたり、汗腺が固く縮こまり(萎縮)ギザギザしたり、汗腺の角度が変わったりし、汗腺の深さが変化します。その変化した所は分解酵出て出て空洞になり、下から皮下脂肪が入り込んでくるのです。

図で示すとこんな感じです。

老化していない肌

 

汗腺が表層へ移行し、空洞化したところが脂肪化している肌

 図で示した真皮にはヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンといった肌の張りや弾力、水分を保つ成分が存在します。イメージはプルプルです。ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンと書くと長いので、このブログ内ではプルプル成分と表記します。プルプル成分が減れば、張りや弾力が無くなるのは想像できますが、汗腺の変化によって分解酵素が出され真皮が欠損し脂肪化が起きるとは!驚きました。

 私は20代の頃、美容外科で働いていました。脂肪吸引の手術をする際に、ホースの様なもので脂肪を吸って取ります。手術介助のナースは、脂肪を吸うホースが引きずらないよう医師の動きに合わせてホースを持ちます。吸い取られた脂肪がホースの中を移動する時、手にその振動音が伝わります。20代の脂肪はチュルチュルという音ですが、40代以降はベチャベチャと脂肪の質が明らかに違いました。

 つまり、プルプル成分が減る年齢の肌の脂肪はベチャとしていると思います。老化で汗腺の形状が変わり空洞化した所に入り込んで来た脂肪も、おそらくプルプルではないはずです。張りや弾力が無いのは当たり前だなぁと肌の中を想像しながら聴講してました。以前より『肌育』は必要と思っていましたが、この聴講を受けた後、『肌育は必須!』と感じました。

 レイクリニックで行なっている『肌育治療』はプルプル成分を育てる薬剤を種まきするように、直接肌の中へ注射で入れます。肌育をする注射の薬剤は幾つかご用意しています。プルプル成分を育てたり、修復したり、補充したり。また、肌の炎症を抑え、水分量をUPさせる効果もあります。

 どの『肌育』治療もまんべんなく種まきするように針を刺す訳ですから、刺す回数は多くなります。直接注射で肌の中に入れ込むため効果も高いのです。刺すのに多少の痛みを伴いますので、痛みを和らげる塗る麻酔をしてから施術します。水光注射を当院でご経験された方は、やり方は同じです。

 この施術にはダウンタイムがあります。薬剤を直接入れるため馴染むまでポコっと膨らみが2〜3日程残る薬剤もあります。針の跡も3〜4日残ります。少し長引く人もいる為、1週間は大事な予定が無い時が良いと思います。メイクは出来ますので、通常の生活であればマスクで誤魔化せた。という方が多いです。

 肌育に使用する薬剤は、自分には何が適しているのか?費用や治療頻度も異なる為、医者や看護師と相談しながら決めると良いと思いますので、ご相談下さい。

 私の小4の息子の頬をツンツンすると、ものすご~く弾力のある肌をしています。この肌に近づけるためには、物理的にプルプル成分を増やしていく『肌育』という治療は、理に叶った治療で、これはやらなきゃヤバい!と思いました。私は既に何回か受けており、効果も実感しているため、定期的に続けたいと感じた講義でした。

中村 

※ 絵:中村 色塗り:中村息子(小4)